ワクワクする職場を目指す
企業の取組
社員が働きやすく、やりがいの持てる職場づくりに取り組む県内企業の取組をご紹介!
奈良で「ワクワクする職場づくり」を実践している企業の生の声をお届けします!
2024.01.31

株式会社SBL 「デジタル化の推進に向けて」

代表社員 八木正宣さん
従来の紙中心となる業務形態から、デジタルを活用したペーパーレス化や、PCやモニターの貸与によるテレワークの導入、またご自身の育児に関する経験から、デジタルを活用した柔軟な勤怠管理を導入し、男女がともに働きやすい職場をつくっており、実際に女性の定着率アップにも繋がっている。中小企業ならではのスピード感や柔軟性を活かした制度づくりや運用を実践されている。

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業務内容を教えてください

税務申告をベースにした中小企業向けの経営支援サービスと、それから相続手続きの支援サービスを行っております。

会社の目指すビジョンを教えてください

主人公は従業員だと思いますので、従業員の方が職場でストレスなく、働くということをベースとしながら、育児、介護、それから資格勉強、趣味の方にも精が出せるように取り組んでいただきたいです。ワークライフバランスを心がけております。

「デジタル化推進」に向けての取組について教えてください

会計事務所なので、書類の山とならないように紙の文書をなるべく残さず、電子の文書で残すようにしております。サーバー上に保存したデータを在宅勤務のパソコンから読みに行けるようにしております。
在宅勤務となると、経営者から社員の様子が見えない。要するに勤怠管理をどうするのかっていう問題があるんですけど、そこを考え始めるとなかなか前に進まないので、そこは本人の自主性、それから性善説ですね。それに任せて、まずは導入することを心がけて取り組みました。
サーバー上に仮想マシンを立てまして、サーバー上にパソコンがあるようなイメージですね。それを5台分用意してますので最大5名まで同時に、在宅勤務、遠隔地からサーバー内のパソコンで作業するような環境になってます。
そこに電子文書化した書類が残されてるので、事務所にいるのと同じ環境で作業することができます。パソコンも支給してますね。

 

取り組みを始めたきっかけや、その進め方について教えてください

もともとのきっかけは私自身、ずっと仕事と勉強でやってきたんですけど、脱サラして会計事務所を開くという時に、仕事がなくてですね。
しかも第一子が開業した年に生まれまして、仕事もなかなか増えませんでしたのでその期間は家事と育児を楽しくさせていただいた記憶があります。
従業員の方のご家族が増えるたびに共感をしてますので、こういうふうにしたらいいなという思いで、職場環境の改善に取り組んできたというところですね。

それらの取り組みを始めて、会社全体で大きく変わったと感じる事はありますか

やはり良い職場環境の中では、男女関係なく切磋琢磨して、競い合って、刺激を受けて、それがスキルアップに繋がってると思います。男女区別なく、お仕事は任せてますので、なお一層です。
女性は出産育児で職場を離れる期間もありますから、その期間を終えたらさらにこれをやってみようという前向きな姿勢に繋がってると思いますね。
男性の職員ももちろん育児に参加しますが、自然にですね、例えば育児介護の制度を資格取得の制度と同じように男女の区別を設けてないので、男性も女性も区別なく、日常感覚で利用してますね。

取り組みを進めていく中で、なかなか上手くいかない、難しいと感じた事はありますか

就業規則で、社内のルールを決めるんですけど、これはいいんじゃないかなと思ったことを実際に規程にするけれども、なかなか活用が進まないケースがあったりします。
そのときに、やはり先駆者といいますか、実際利用する人が出てきて、他の人も使いやすくなるということはあります。
それから、勤務時間を少なくしたり、報奨金を支給するっていう場合には、会社の方に余裕がないといけない。要するに会社が適切に利益を上げて、余裕を持った体制であるかというところが一番大きいと思います。そこがあって初めて取り組んでいける部分でもあります。
まずは企業が継続するっていうことが大前提になりますので。
職場環境良くして、お金をかけて良くして、でも会社自身が立ち行かなくなって倒産したとなると、本末転倒になりますので。絶えずそこは注意しながらってことですね。
一旦決めた制度はなかなかやめることできないので、不利益変更はできませんので、注意してやるべきだと思います。

勤怠管理ですね、まずは。結構いろんなパターンがあるので、給与計算の時になかなか大変で、そこはちょっとね苦労しましたね。今は、勤怠出勤時間、退勤時間、休み時間それぞれを本人がチェックして、給与計算の担当者に、資料を送ってもらってそれをチェックするという方法に変えて時間短縮になりました。
絶えず問題は出てくると思うんですけど、その問題が出てきたときにどう解決するのかは、知恵を使わないといけないと思います。

多様な働き方について、経営者・管理者としてご苦労されている点などはございますか

その都度、これをこうしたらいいんじゃないかという意見を就業規則に反映させて取り組んできました。規則は定めてますが、例えば遅刻とかはもうLINEで遅れますっていうことを本人が申し出て、同じスタッフが承知しましたって返してる。特に管理者の承認は必要としない形で10年やってきてます。
業務に支障があるときは困るので、例えばその資料がここにあってこのように対応してくださいと指示するのは、管理者にも認めています。それ以外のことは、多少の遅刻、早退は特に業務に支障がなければ認めるようにしてます。

独自に工夫した取り組みや難しいと感じることはありますか

その時その時、いろんな意見がありましたが、一番大きな取り組みは、所定労働時間7時間にしています。多分多くの企業さんが8時間だと思います。労働時間を決めてても、残業して大体8時ぐらいにみんな帰るのが常態化してる企業さんもあるんですけどね。
うちは、なるべく5時になったら、すっと帰るように、今一応そういう雰囲気になるように、心がけてますね。でも声掛けしたら、逆にそれもプレッシャーになるし、難しいです。どうしても、立場的に。あんまり言いすぎないしてますけど、一番いいのは自然とみんなが意識を変えられるっていうのが一番ですね。

今後さらに、誰もがワクワク働ける会社となるための計画や目標があれば教えてください

働きやすい職場環境を考えると、本人の自己実現に値するか、勉強して資格を取ってスキルアップして、それに報いるためには、会社の業務の幅を広げる必要があるかなというふうに思ってます。
要するに従業員の方の自己実現の場を設けようと思ったら、業務の拡大をしないといけないのかなと思ってます。
それから、日本の企業の働き方としてまだまだ労働時間が多いんですかね、世界的に見て。
ですので今労働時間1日の労働時間7時間ですけれども、6時間にするとか。
さらに勤務時間の短縮を図らないといけないのかなっていうふうに思ってます、さらに効率的に働けるように業務フローの見直しとか、そういうものを踏まえて、短くできるようにしていきたいと思います。
それからご本人の希望ですよね、もっと働きたいっていう方もいると思うので。制度だから、柔軟に選べるような規定を作らないといけないというところもあります。
色々な要素が重なって導入しやすくなるというタイミングがあると思いますので、ITの発展と活用なども含め、5年後、10年後ぐらいにそのタイミングが来るのかなというふうに思います。