ワクワクする職場を目指す
企業の取組
社員が働きやすく、やりがいの持てる職場づくりに取り組む県内企業の取組をご紹介!
奈良で「ワクワクする職場づくり」を実践している企業の生の声をお届けします!
2024.01.31

株式会社タフ 「産休取得・育休取得促進に向けて」

常務取締役 川野長子さん
総務人事経理の責任者として、従業員へのきめ細やかなヒアリングやご自身の経験を基に、育休などの制度周知や運用、女性社員の復職支援、活発なコミュニティづくりなど、従業員が育児と仕事を両立できる職場づくりに従事。社内では男性社員の出生時育児休業の取得者も増え、社内での相互理解・支え合いが進み、安心して就業と子育てができる風土が醸成されている。

ショート版はこちらから

 

業務内容を教えてください

モバイル商品や、それに付随するインターネットサービスを、ソフトバンクショップ、ワイモバイルショップ、法人様に向けて、ご提案からアフターフォローまで行っております。

働き方に対するビジョンを教えてください

従業員、お客様お取引様が笑顔になる会社、お店づくりを行動指針に挙げて取り組んでおります。

「育休・産休取得促進」のための取り組みや、それらのきっかけについて教えてください

当時は女性が結婚し妊娠したらもうやめるっていうのがもう定説といいますか、これだけ長く働いてくれた女性社員が健康・妊娠・出産を理由に退職しなければいけないのは、非常に会社として大きな損失だないうことで。
そこから少しずつ、課題の洗い出しを行いまして、もっと現場の職員たちの力も借りて動かさないとということで、ハッピーマンプロジェクトというものを立ち上げたんですね。
このプロジェクトで、これからおそらく結婚するであろう妊娠出産するであろうという社員をまず中心に、集めました。
人事の責任者と営業の責任者がファシリテーターになりまして、「今働いている中でこういう課題があるけれども、どう思う?」といった話をしたときに、働き続けたいという声が圧倒的に多かったんですよね。

具体的にはどのように制度を運用しているのですか

今までは私がある女性社員が妊娠しましたという報告をその上長から聞いて私からアプローチをして、体調がどうかとか、あくまで個人的なアドバイスをずっとしていたんですが。
それが難しい会社規模にどんどん大きくなっていくなかで会社がもっとシステマチックにしていかないといけないと考え、会社でLINEのシステムを構築しました。そこにはすべての妊娠出産経験者の声を集めて、まず妊娠したらどこに相談したらいいですか、男性上司にはどのタイミングで言ったらいいですか、必要な要素をきめ細やかなヒアリングをもとに全部洗い出しまして、それらを全部LINEのシステムにはめ込みまして、そのシステムを作ったことで一気に妊娠出産にまつわる相談が増えました。

本人からの相談を受けて私たちが全部共有かけまして、本人がなかなか言いづらいこともあるので、私達から全部男性の上長たちにレクチャーを行ったり、その女性社員が気分悪そうにしてたら、私に報告をくださいとか。上長から会社、本人から会社、双方向のやりとりを入れて、本人が安心して産前を迎えられるようにっていうようなシステムが今できております。

男性社員の育休取得の促進に関してはいかがでしょうか

ハッピーマンプロジェクトは女性の産休育休から始まったんですけれども、そこからやっぱり出てきた課題で男性教育に繋がっていきます。女性はほとんど産休育休取得率も100%で復帰率も100%になったんですけれども今度は男性、まだ男性の課題に取り組めていなかったんですね。男性社員の育休への不安の声として一番大きいのがやはり帰ってきた時に自分の椅子がなくなるんじゃないか、と。何で取らないの、とっていいんですよって言っても、皆さん頑なに、いやもう産後の数日でいいです、時短で1週間2週間早く帰らせてもらえたらもうそれで結構ですって言う社員ばっかりだったんですね。
いやちょっとやばいぞ、もう世の中こんなに変わってきてるのに、となりまして、男性社員だけを集めるプロジェクトをやろうということで、男性の店長たちを中心に集めて、プロジェクトをやりました。

実際に男性社員で取得した方はいらっしゃるんでしょうか

女の子が生まれる社員がいたんですが、役職にもついてる人間なので本人は絶対育休を取らないって言ってたんです。できたとしても時短かなと言ってたんですけども、私たちが強引にもう産前から休みなさい、休みなさいって言って。
その社員が男性社員として初めてちょっと長めの育休を取ってからは、他の男性社員も「取れるんだ」、「取っていいんだ」となったので、やっぱり最初の1人をどう作るかということを会社としてもすごく考えるきっかけになりました。
私は半ば強引に取らせたっていう感じなんですけど。でもそれぐらいしないと会社が育休を取っていいと思ってることが伝わってなかったんだと思います。男性はみんな取ってないから取れないんだって思ってたと思うんですよね。
弊社の労務士さんにも、「やっぱり女性はこれだけ取れてるんだったら取れるんじゃないですか」と言われまして。「わかってますか、会社も一緒に育てるんですよ、それぐらいやっていかなきゃ生半可な気持ちじゃ、子育てする方々を、雇えないですよ」と労務士さんに言われた時に、そうだなって思ったんですよね。綺麗事じゃできないなってその時すごく思ったんですよね。
なのでそこから男性の育休が一気に増えまして、すごくいい傾向だなと思います。この取り組みをちょうどやり始めたときに、世の中でジェンダーや男女差などの話が出だしたのでタイミング的にもよかったのかなあと。それでもまだやっぱり制度の周知であったりとかに課題があります。

取り組みを進めていく中で、なかなか上手くいかない、難しいと感じた事

やはり人繰りが本当に大変で。でももう会社が決めてしまったんで、もうやるしかないんですよ。男性育休入れられた会社様の話を聞くと規模もそれぞれ全然違いますけど。
どうされてますかっていうのをいろいろお聞きして、できるところから始めていこう、と。男性社員と手探りでどれぐらいのタイミングから何日ぐらい取っていくとか、そういうことを今いろいろ検討し始めてる段階です。女性社員のように1年間といった取り方はまだできてないです。産前と産後で分けて取ってもいいし、日数についても本人の希望と会社がもうちょっとこれぐらい取った方がいいのではとすり合わせている段階ですね。今はできるだけ希望を聞くようにしています。

取り組みを始めてから、社内で「働き方」についての変化

まだまだですけど、制度を導入してすごくよかったなと思うのは、お父さんである男性社員たちも育休をとったことで、子育ての大変さをすごく実感してくれましたので、そこからまたこれから育児を経験することになるスタッフたちに対しても、全然声のかけ方が変わったようです。

やはり相互理解があっての仕事なんだということを一人一人にわかってもらうことが、こういった活動を通しての一つのミッションだったりするのかなと実感しています。

今後さらに、誰もがワクワク働ける会社となるための計画や目標

従業員へのサーベイを実施して、健康経営や、休日の自由度についても取り組んでいきたいと考えております。